高齢者の方へ
企業等で働き続けるための制度
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定年・企業における雇用確保・就業確保
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現在、我が国では、企業などの事業主に対して「65歳までの雇用確保の義務」「70歳までの就業確保の努力義務」が定められています(高年齢者雇用安定法)。
65歳までの雇用確保について、企業は、①65歳までの定年引上げ、②定年の定めの廃止、③65歳までの継続雇用制度の導入のいずれかの措置(「高年齢者雇用確保措置」といいます。)を実施しなければなりません。
この制度は義務であり、21人以上規模企業のほぼ全ての企業(99.9%※)で実施されています。70歳までの就業確保について、企業は、①70歳までの定年引上げ、②定年の定めの廃止、③70歳までの継続雇用制度の導入(他の事業主によるものを含む)、④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入、⑤70歳まで継続的に社会貢献事業に従事できる制度の導入のいずれか(「高年齢者就業確保措置」といいます。)を実施するよう努めなければならないとされています。
この制度は努力義務であり、21人以上規模企業の29.7%※で実施されています。
以上のように、65歳までの雇用確保、70歳までの就業確保のどちらの制度も、さまざまな形態があり、実際にどのような制度を実施しているかは企業ごとに大きく異なる場合があります。
これらの制度の基本的な事項については、就業規則に定めることになっており、ご自身の職場で確認できるようにする決まりとなっていますので、会社の制度がどのようなものか、ご自身の手で事前に十分確認をしておくことが大切です。
※2023(令和5)年6月1日現在
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継続雇用制度
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「継続雇用制度」とは、定年などに到達して雇用が終了する者を、本人が希望すればその後も引き続いて雇用する、「再雇用制度」や「勤務延長制度」などをいいます。
65歳までの雇用確保措置(義務)として継続雇用制度を導入する場合、原則として希望者全員を対象とする必要があり、対象者を限定する基準を定めることが禁止されています。また、継続雇用先は自社とグループ会社の範囲に限られます。
一方、70歳までの就業確保措置(努力義務)として継続雇用制度を導入する場合、対象者を限定する基準を定めることが可能です(※)。また、継続雇用先を自社とグループ会社以外の他社とすることも可能です。
※ただし、高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえたものであり、他の労働関係法令や公序良俗に反しないなどの条件があります。
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継続雇用制度を利用した有期雇用労働者の無期転換申込権の特例
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有期労働契約が繰り返し更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる「無期転換申込権」が発生します(労働契約法第18条第1項)。
ただし、定年後引き続き継続雇用される有期雇用労働者については、一定の条件と手続きのもとで、「無期転換申込権」が発生しない特例があります。(専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法第6条、第8条第2項)。
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創業支援等措置について
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70歳までの就業確保措置のうち、雇用によらない措置を「創業支援等措置」といい、具体的には、以下の選択肢があります。
- 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
- 70歳まで継続的に自社又は他の団体が実施する社会貢献事業に従事できる制度の導入
- 事業主が自ら実施する社会貢献事業
- 事業主が委託、出資(資金提供等する団体が行う社会貢献事業)
また、創業支援等措置を講じる場合は、雇用による措置と異なり、労働関係法令が適用されません。このため、次の(1)~(3)の手続を行う必要があります。
- 創業支援等措置の実施(業務の内容や高年齢者に支払う金銭等)に関する計画の作成
- (1)の計画について過半数労働組合等の同意を得る
- (2)の同意が得られた計画を労働者に周知する
以上(1)~(3)の手続を経て制度を導入した後は、当該計画に沿って、個々の高年齢者と業務委託契約等または社会貢献事業に従事する契約を締結する必要があります。
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高齢者雇用に関するイベント・啓発活動
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(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)では、高齢者雇用に関するイベント・啓発活動として、「生涯現役社会の実現に向けたシンポジウム」、「高年齢者活躍企業コンテスト」、「高年齢者就業支援月間」(「高年齢者活躍企業フォーラム」や「生涯現役社会の実現に向けた地域ワークショップ」を開催)、啓発誌「エルダー」の発行などを行っています。
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高齢者雇用に関する情報提供
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(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)では、高齢者雇用に関する情報の提供を行っています。具体的には、高齢者雇用の事例を検索できる「高年齢者活躍企業事例サイト」や、企業内での取組に活用できる支援ツールが利用できます。
「70歳雇用推進マニュアル」では、70歳までの就業機会の確保に必要な施策、人事制度改定の手順などを紹介しています。事例を取りまとめた「70歳雇用推進事例集」、「65歳超雇用推進事例集」と併せてご活用ください。
70歳雇用推進マニュアル、70歳雇用推進事例集・65歳超雇用推進事例集
産業ごとに高齢者雇用に関する具体的な実態把握を行い、企業の高齢者雇用をより一層促進するために必要なガイドラインを策定します。現在、90を超える業種のガイドラインが紹介されています。
ワークシェアリング、短時間勤務の活用事例など、各企業の高齢者雇用に関する先進事例をまとめています。都道府県、業種、従業員数、制度改善項目等で検索していただけますので、是非ご利用ください。
役職定年・定年制の見直し、ジョブ型人事制度の導入など、高齢者の活躍に取り組む企業の事例を紹介しています。高齢者の雇用や処遇の改善等を検討されている事業主や人事労務担当の皆さま、ぜひご覧ください。
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高年齢労働者の安全衛生対策
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高齢者が安心して安全に働ける職場環境の実現が求められている中、高年齢労働者の安全と健康確保のために事業者及び労働者が取り組むべき事項をガイドライン(通称:エイジフレンドリーガイドライン)にとりまとめています。
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再就職・就職するための制度
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再就職援助措置
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高年齢者等(45歳以上70歳未満)を解雇など(※1)企業の都合により離職させるとき、企業は、本人が再就職を希望するときは、下記の(ア)~(ウ)などの再就職援助措置を講じるよう努めることとされています。
- 求職活動に対する経済的支援
- 再就職や教育訓練受講等のあっせん
- 再就職支援体制の構築
※1 解雇(本人の責任によるものを除く)その他事業主の都合による離職、平成24年改正法の規定により定められた継続雇用制度の対象となる基準に該当しないことによる離職、創業支援等措置の対象者基準に該当しないことによる離職など
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求職活動支援書
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高年齢者等(45歳以上70歳未満)を解雇など(※2)企業の都合により離職させるとき、企業は、本人の希望に応じ「求職活動支援書」を作成し、本人に交付することが義務づけられる場合があります。
※2 解雇(本人の責任によるものを除く)その他事業主の都合による離職、平成24年改正法の規定により定められた継続雇用制度の対象となる基準に該当しないことによる離職「求職活動支援書」には、職務の経歴、資格・免許・受講した講習、その他の職業能力に関する事項など再就職に資する事項を記載することとされており、離職される本人がこれを活用することで、その経験や知識を活かした求職活動をすることができます。
ただし、求職活動支援書の作成が、企業の義務になるかどうかは、離職の理由や、高齢者の雇用形態によって異なる場合があります。もし、今働いている会社を離職することとなった場合は、ご自身の求職活動支援書の発行が可能かどうか、企業の担当者に確認するか、お近くの都道府県労働局・ハローワークにお問い合わせください。
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生涯現役支援窓口の再就職支援
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全国300か所のハローワークに「生涯現役支援窓口」を設け、概ね60歳以上の方を対象に再就職に向けた支援などの各種サービスを行っています。
高齢期を迎えて、もう一度働きたいというご希望をお持ちの方は、是非お越しください。特徴1 シニア世代が活躍できる求人の新規開拓
シニア世代の活躍につながる求人の新規開拓を実施します。
特徴2 シニア世代の採用に意欲的な企業の求人情報の提供
特徴1で開拓した求人を含め、シニア世代の採用に意欲的な企業の求人情報を提供します。
特徴3 多様な就業ニーズなどに応じた情報の提供
ご本人の就業ニーズなどに応じて、シルバー人材センターをはじめとする関係機関の相談窓口について情報を提供します。
特徴4 シニア世代の方に適した、各種ガイダンス・職場見学等の実施
履歴書、職務経歴書の書き方や面接の受け方、求職活動の方法などに関して、シニア世代の方に適したガイダンスを実施します。
また、就労のきっかけとなる職場見学、職場体験、各種セミナー等を実施します。
「生涯現役支援窓口」の設置場所については、以下のパンフレットに記載している「生涯現役支援窓口」を開設しているハローワーク一覧をご覧ください。
<パンフレットPDF>▲ 閉じる -
シルバー人材センターの生きがい就労支援
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シルバー人材センターでは、臨時・短期的な仕事や軽易な仕事の場を提供しています。
これらの仕事は、地域の家庭、企業、自治体などから発注されており、高齢者の方にとっても、地域社会の福祉の向上と、活性化に貢献することで、健康で生きがいのある生活を実現できるものとなっています。
「会社で働くのではなく、短い時間で、地域に役立つ仕事がしたい。」
「定年退職したけれど、ボランティアなどで活動をしたい。」
といったご希望をお持ちの方は、お住いの市(区)町村のシルバー人材センターへのご入会をお申し込みください。お住いの市(区)町村のシルバー人材センターについては、以下のサイトをご覧ください。
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